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【8月12日決算発表】おすすめマザーズ銘柄

目次

はじめに

2021年8月12日に、マザーズ銘柄 おすすめの決算発表が多数ありました。
ここでは、注目銘柄を個別に解説していきます。

 

1.ミンカブ・ジ・インフォノイド(4436)

まずは「minkabu」や「株探」のサイトでお馴染み、
ミンカブ・ジ・インフォノイド。第1四半期の決算発表です。

第1四半期 決算

売上高は前期比プラス37%成長で11億2,700万円、営業利益はマイナス4.2%成長の1億100万円と、「増収減益」です。

経常利益もマイナス成長ですが、EBITDAではプラス17%成長となりました。

気になるのは、営業利益率が前期比よりもマイナス4.3ポイントの9.9%と、

10%を割り込んでおり、WEB系の会社としては少し低めになっています。

ただ、減益も想定通りとのことで、その理由も「中長期的な成長に向けて、人材の採用や広告宣伝費を積極的に投下した」と、前向きな理由になっています。

 

売上高は、「MEDIA」と「SOLUTION」の2セグメントに分かれています。

MEDIAは、前期比プラス44%成長で5億1,200万円の売上高です。
SOLUTIONは、より規模が大きく、プラス31%成長で6億1,800万円の売上高です。
株探、ミンカブのサイトに関してはMEDIAに属します。
こちらは、ユニークユーザー数、訪問ユーザー数、共に順調に伸びていて、直近の月間平均訪問ユーザー数は970万人です。

 

ミンカブは下期編重

今回の決算は第1四半期でしたが、同社は下期の3Q~4Qにかけて売上が偏る傾向にあります。
その要因は下の画像赤枠部分にあります。

実際に、通期計画の売上高は53億を予想していますが、
今期1Qで11億円の売上で、進捗率は25%に満たない程度になっています。

同様に売上利益も年間で10億円の計画ですが、1Qでは1億1,100万円ということでまだ11%ほどの進捗率になります。
こうした事をふまえて、下期編重で今後着実に売上が上がるかどうかを、2Q以降見極めていく必要があります。

 

株価チャート

決算発表の翌日は、前日比プラス2.5%の3,465円になりました。
今年に入ってから株価は横ばい気味か若干下降気味の傾向で、昔に比べて成長率は若干鈍ってきている印象です。

 

実際に過去の決算推移を見ていくと、2020年最初の頃は前年同期比でプラス60~70%と物凄い成長でしたが、今年に入ってからプラス30%ほどなので、以前よりも成長率は弱まった傾向にあります。

QUICKと日本経済新聞社と業務提携

今後期待できるポイントとしてはQUICKと日本経済新聞社ということで株式情報に強い会社と資本業務提携をした点です。
35億円の資金調達をして、さらにソフトウェアの開発とか色々事業面でシナジーが出せる部分があると思いますので、中長期的に期待できると思います。

 

2.スパイダープラス(4192)

スパイダープラスは建築図面や現場管理アプリのサービスを手掛ける、建設DXの銘柄となります。

第2四半期 実績

  • 契約社数が四半期ベースで過去最高の増加
  • 主力のICT事業は引き続き30%超の成長率で推移
  • 新サービスの開始

中長期での成長を加速させるために先行投資を決行しており、結果としてARR(年間経常収益)が前期比でプラス35%成長の18億8,100万円、契約社数プラス58%成長の996社と、大きな増加となっています。

年間計画の進捗

売上高進捗率46.1%の8億9,900万円というところまで来ているので割と順調かと思います。実績IDの進捗計画も43.2%で悪くない進捗率になっています。

 

売上高、売上総利益

セグメントは2つあり、ICT事業が全体の8割くらいを占めております。ENT事業は前期比と比べるとマイナス成長です。

費用と利益面

先行投資の観点から、販管費はFY2020.Q4以降は増額を継続しています。
また、R&D(研究開発費)を上場直後からかなり増額していて、サービスの開発にも余念がないと思われます。

 

株価

投資家も先行投資をしていることは理解していますが、決算結果としては「増収減益」となります。
売上・利益ともに高成長を求めるマザーズ企業に対しては、短期的な株価の反応は良くないです。

決算発表翌日はマイナス4.8%の1,666円になりました。直近ではそれなりに大きな下落となっております。

 

3.HENNGE(4475)

HENNGEは、企業のウェブサービスID、パスワードを一括管理できるクラウドセキュリティーサービス「HENNGE ONE」の提供を手掛けています。

 

第3四半期 実績 ~連結売上高~

9ヶ月累計になりますが、連結売上高は前期比プラス17.5%成長の35億3,100万円となっています。

うち「HENNGE ONE」事業が売上の大半を占めており、前期比プラス20.1%31億8,000万円となっています。

正直、成長率としては以前と比べて衰えている印象があります。

 

第3四半期 連結業績サマリー

粗利益(売上総利益)はプラス19%成長の29億円、営業利益はマイナス28.6%成長の2億2,700万円、最終利益はマイナス16%成長の1億5,000万円で、「増収減益」の決算発表になりました。

年間計画に対する進捗率としてすべての指標が70%以上で推移してるということがありますので、残り3ヶ月に対する進捗としては順調となります。

 

ただ、スパイダープラス同様先行投資をしているために「増収減益」となっていますが、
個人的に気にしているのは、他の企業と比べると費用をかけてる割には、あまり売上の成長が伴ってない、という印象があります。

特に、人件費と広告宣伝費は1年前に比べると結構かけているにも関わらずに、リターンがうまく出ていないのは、先に見たミンカブやスパイダープラスに比べるとちょっと物足りない印象です。

 

解約率の推移

サブスクビジネスなので解約率というのが非常に重要になってくるんですが、
平均月次解約率を見ると若干昨年途中ぐらいから上り始めてる傾向にあります。

株価

決算発表翌日の株価は、前日比プラス5.6%の3,070円で株価がついてます。
昨年は好調だった株価が今年に入ってから急落してきて、ジェットコースターのような山形のような形になってしまっています。

下落トレンドがついている傾向から、この状態ではなかなか買う判断は難しいと思います。

 

4.Sun Asterisk(4053)

Sun Asteriskは、エンジニアのマッチングや派遣ビジネス、技術者派遣を中心として事業を行っています。

第2四半期 決算概要

第2四半期の決算は以下の通りです。総じて非常に順調です。

  • 売上高:プラス34.7%の36億3,200万円
  • 営業利益:プラス42.6%の7億8,200万円
  • 営業利益率:プラス1.2%の21.5%
  • 経常利益/純利益:プラス45%前後の成長
    (全て前期比)

通期業績予想に対する進捗率について、売上高はこの第2四半期の時点で55%の進捗率ですが、
営業利益以降は70%以上の進捗率となっています。

よって、営業利益以降については、3Q以降のタイミングで上方修正をしてくるか、
もしくは、中長期の成長に向けた積極投資をしてくるか、どちらかの可能性が考えられます。

事業状況

メインの事業は下図の薄い赤色のクリエイティブ&エンジニアリングです。
全体の8割くらいを占めており、順調に成長しています。

 

顧客との契約継続状況を表すものとして、下図のストック型顧客数の推移がありますが、
安定的に伸びていることが見て取れます。

合わせて、顧客単価も伸びています。
特に下図の一番上のエンタープライズ顧客平均という大企業との単価が、他に比べると圧倒的に高いことが、
好業績の要因になっていると考えられます。

 

導入事例

大企業を数多く顧客として抱えています。三菱地所ミクシィの子会社ネットドリーマーズ、ソフトバンクローソン等の案件事例が紹介されており、、
そうしたところから顧客単価の上昇に貢献していると考えられます。

成長戦略

・日本マイクロソフトとスタートアップ支援で連携ということで、国内初のパートナーとして参画しました。

・今までと全然違うサービスで、アイドルを支援するサービスのプラットフォームを作り始めています。
新規事業の一環として今後も成長に繋がる部分であるかと思います。

・上場してからはベンチャー企業の投資を積極化しており、21社も投資してます。
その中には、例えば「FUNDINNO」という株式投資型クラウドファンディングの会社に、連合で投資をしています。

 

株価

しばらくは緩やかな右肩下がりとなってます。
決算発表翌日は、前日比プラス0.96%の1,999円という状況です。
株価は右肩下がりになっていますが、業績は非常に高成長を続けているため、今後も期待できる銘柄の一つと考えます。

 

5.I-ne(4933)

「ボタニスト」というシャンプーやトリートメント、「CHILLOUT」というエナジードリンクなど、
おしゃれなコスメ美容関係の商品を扱っている企業です。

第2四半期 業績

業績は非常に良いです。
6ヶ月累計の売上高は、前期比プラス36%成長の143億円で、マザーズ企業の中でもかなり大きな売上で、過去最高を更新しています。
営業利益も前期比プラス283.1%成長の15億8,000万円で、こちらも過去最高を更新しています。

プランド別売上高として、143億円のうち約8割の112億円がBOTANIST、SALONIA(ドライヤー)で大きな割合を占めています。
それ以外のブランドも育ってきており、高成長を見せています。

BOTANISTが前期比プラス32%成長、SALONIA前期比プラス48%成長しております。
シャンプーやドライヤー等の従来からある非常に汎用的なジャンルで、
ここまでの成長率を出せるのはブランディング、機能の打ち出し方が非常にうまいと言えます。

 

コスト構造

売上原価が52%→46%まで低減しており、売上総利益(粗利率)が11,1%に向上しています。

 

上方修正

もともとの年間業績予想では、売上高は257億円でしたが280億円に上方修正しました。
営業利益も16.5億円から20億円に上方修正してきました。

 

 

個人的にすごいと思ったのは、今回の上方修正を出しながらも、3Q以降は積極的な投資をしていくということで、
元々の予定よりもさらに10億円を使う投資を計画しています。

追加投資があるにも関わらず上方修正ができることは、いかに業績が順調に推移しているかが分かります。

株価

株価は今年の春ぐらいから急激に上がってきて、最近は多少下落傾向にあります。

決算内容は非常に良かったですが、決算翌日の株価はマイナス4.68%235円下げの4,785円で着地をしています。

 

 

6.ACSL(6232)

ACSLの事業内容は、商業用ドローンの製造販売で、ドローン関係では世界初の上場企業となります。

会社名/決算期の変更

以前は自律制御システム研究所という社名でしたが、
グローバルレベルでの認知向上を目指し、2021年6月株主総会で社名をACSLに変更決議しています。

決算期も以前は3月末でしたが、今回から12月末となりました。
理由は企業向けのサービス、特に大型案件の検収が1月~3月に偏るため、
決算が閉まる直前まで通期の着地が見通しづらい状況を解消するためになります。

第1四半期 実績

前提として、同社の事業は実証実験段階のものが多いため、売上はまだまだ小規模です。
ですが、これらが商業化してくるとかなり爆発力はあると思います。

売上高は前期比プラス639%の2億6,700万円、一方で利益は先行投資の段階ということもあり、
営業利益はマイナス3億800万円、純利益マイナス2億9,600万円と、いずれも前期比から赤字幅は拡大しています。

四半期別の営業利益

利益は基本的に赤字が続いており、売上も安定していない状況です。

年度によるばらつきも現状は大きいです。

今期の売上見込み

今期は変速で9ヶ月での期間のため、売上見込みは3億5,000万円と、過去と比べるとだいぶ縮小しています。

しかし、仮に前期と同じ3月末決算としてみた場合、3月あたりに計上される小型空撮機体の販売売上金額が大きく、
結果25〜30億円とかなり急成長する見込みになっています。
来期としては希望が持てる内容になっています。

研究開発費

赤字続きですが、研究開発費は積極的につぎ込んでいます。
特に前期は3億円、今期は1.5億円となっています。

日本郵便/日本郵政キャピタルと資本業務提携

今年6月には、日本郵政キャピタルから30億の出資を受けています。
また日本郵政は配達、物流を主力事業としているため、この分野での事業シナジーはかなり大きいものと思われます。

社会性のある事業内容

2021年夏に静岡県熱海市で起きた土砂崩れ災害において、自衛隊と連携して同社のドローンを活用し、災害状況を把握するなどをしています。
こうしたことが広がっていくと、多くの企業、自治体からのニーズは増えていくと思います。

株価

昨年から横ばい気味で、2021年8月時点の時価総額は308億円です。
決算翌日の株価反応は、プラス0.76%19円高の2,530円で着地をしています。

 

7.ケアネット

ケアネットは医療ウェブサイトを運営、医薬品情報で営業支援、サンバイオと資本業務提携をしている会社になります。

第2四半期 決算内容

決算は非常に好調です。

  • 売上高:前期比プラス106%成長の38億円。
  • 営業利益:プラス200%成長の13億8,000万円。
  • 最終利益プラス430%成長の9億5,400万円

ということで、成長率が非常に大きくなっています。

 

進捗率も売上高、利益ともに2Qまでの現段階で50%を超えており、非常に良い状態です。

セグメント別の売上高では、大半を占めているのは医薬DX事業です。
既存サービスの販売体制強化などの取り組みを進めたことにより、
売上高が前期比プラス110%成長の33億2,700万円で、営業利益もプラス142%成長の18億8,800万円となっています。

 

新株予約権を通じた資金調達

決算発表と同時に注目されたのは、新株予約権を通じた資金調達を発表したことです。
資金調達総額としては、63億円を見込んでいます。

新株予約権を出すと、潜在株式いわゆる株式数が増加する可能性があり、その希薄化率は9.6%ということになります。
そこまで大きい割合ではないですが、株式数が増えることによって、
いわゆるEPS(一株あたりの純利益)が下がる懸念は、既存の投資家としては抑えておくべきポイントになります。

 

 

調達した資金はDX事業への開発投資を積極的にしていくということです。

エムスリーとも競合対抗する狙いもあります。

具体的な内訳は下図の通りです。

 

今回の資金調達の正式名称が第三者割当による行使価格修正条項付の新株予約権となり、
メリットとして「需要に応じた資金調達が可能」、「過度な株式への希薄化への配慮」がありますが、
既存株主を配慮した設定になっています。

株価

株式への希薄化がある資金調達は、どうしても株主からは嫌がられるということもあり、
増資したということだけでマイナスイメージを持つ方が多いと思います。

そのため、決算翌日の株価は、市場が明けてからしばらく株価がつかず、
最終的にその日はストップ安のマイナス14%1,000円下げの5,730円で着地しました。

freee社などのいくつかのマザーズ企業でも、希薄化を伴う資金調達をしていますが、
目的は中長期成長のための先行投資で、わりと早めに株価を戻してきている銘柄も多いため、
私はこのタイミングでケアネットの株を買ってみました。
しばらく下げが続くかもしれませんが、中長期的に見ればプラスになると考えています。

 

8.AI inside

AI insideは、主にAI-OCRという読み取り装置のサービスを展開しています。
前回決算時に、パートナー企業であるNTT西日本経由で獲得した案件のほとんどが解約になるという衝撃的な発表により、
株価も最高値から10分の1くらいになってしまいました。

 

第1四半期 決算内容

今回はそれ以来の決算発表となります。

  • 売上高は、前期比プラス46%の9億9,290万円
  • 営業利益は、プラス9.5%の2億7,000万円
  • 最終利益は、マイナス14%の1億8,000万円という形になっています。

 

進捗率は第1四半期の段階で、売上高は27.4%、営業利益は54%非常に良い状況です。

 

予定通り、NTT西日本関連の売上が大きく減少していますが、それ以外のベースの部分は堅調に推移しています。

 

株価

前回発表以降、株価は長らく下落でした。
今回決算は比較的良い内容だったため、個人的には決算翌日に多少上げることを期待していましたが、
結果、前日比マイナス14%ストップ安直前まで下げてしまい、ついに株価1万円を割ってしまい、8,850円でひけました。

こうした環境下では、しばらくは株価の上昇には時間がかかってしまうと考えられます。
今期の実績が計画通りに進むかどうか、3-4Q付近で来期の予想値が見えてくるので、そこで株価の上がるタイミングが出てくると思います。

 

 

9.メルカリ

通期 決算内容

今回メルカリは非常に良い決算内容を出してきました。

売上高は前期比プラス30%成長で1,061億円、営業利益は51億円で、通期で初めて黒字着地しました。

事業別内訳

メルカリ日本事業

流通総額前期比プラス25%成長、営業利益率は調整後で32%もあり、非常に高い内容になっています。

メルペイ

利用者が1,000万人を超えました。
赤字ではあるが、利用者は順調に増えている状況です。
なお、単月でみると5月は初めて単月黒字となりました。

メルカリ米国事業

流通総額は前期比プラス72%成長と非常に高い成長率であり、
アクティブユーザーは461万人となってます。

 

株価

コロナ禍以前と以後で、推移が大きくことなります。
以前は下げ基調でしたが、コロナ禍以降株価は右肩上がりとなり、時価総額は9,105億円となっています。

ただ、今回の決算は非常に良かったにも関わらず、材料出尽くしとも言われて、
決算翌日の株価は、マイナス5.8%360円下げの5770円で着地しました。

 

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