はじめに
株式投資をしている方であれば、「グロース株(グロース銘柄)」という言葉を聞いたことがあるでしょう。
グロース株は短期間で大きな利益を出すことができるため、よく株式投資のコラム等でも取り上げられることがあります。
しかし、大きな利益を狙いに行く時には必ず大きなリスクも生じるのが投資なので、その点を不安に感じる人も多いでしょう。
実際にグロース株の選び方を間違ってしまうと、損失ばかりになってしまう可能性もあります。
そこで今回は、より利益を出すことができるグロース株の探し方についてご紹介していきます。
目次
グロース株とは?
グロース株とは、高い成長性により今後株価が上がっていくと予想される銘柄のことを指します。
具体的には、これから業績を飛躍的に伸ばす可能性が高い、とされる銘柄のことを指しているケースが多いです。
上場したばかりの企業の場合、最初は売上も資本金も、他の上場企業に比べると少ないということも多くです。
しかし、年月が経つごとに売上を伸ばしていき、数年後には十倍の株価(いわゆる、テンバガー)になっていたということも多くあります。
このような銘柄を見つけて安いうちに買っておくことによって、将来的に大きな利益を得ることができるため、グロース株は魅力と言われています。
グロース株に投資をするメリット
では、株式投資の中でもこれだけグロース株に注目が集まる理由はどこにあるのでしょうか?
グロース株を保有するメリットについて見ていきましょう。
大きく資産を増やすことができる
グロース株は、比較的短い時間で大きく売上を伸ばし、それに伴って株価も高騰していくというケースが多いため、安い時に買っておけば安定した銘柄に比べて大きな利益を短期間で出すことが可能となっています。
その上、グロース株の決算発表が行われた時には、その内容に応じてかなり大きな相場変動が起こることがあり、その日の短時間の間に数倍~数十倍の利益を出すことができたという方もいるようです。
このようなケースは稀ですが、上昇していく銘柄を保有しておくことによって、株価が高まった時により高い価格で売り抜くことができ、値上がり益を増加できるという点はグロース株の魅力と言えるでしょう。
銘柄選びが容易になる
グロース株として注目を集める企業の特徴として、新しい時代の最先端であるビジネスを提供しているという点が挙げられます。
これまでにあったサービスとは一味違った内容を取り入れていることで、一気に世間からの注目を集めて大きな企業になるというケースは少なくありません。そのため、今のトレンドや時代の流れ、需要について考えていけば、その銘柄がグロース株なのかどうかを見極めやすくなります。
最近で言えば、SaaS、AI、フィンテックなどのIT分野が、グロース株の象徴的な存在として取り上げられる機会が多いです。
長期的な株価の変動や現状の決算の状況を詳しく見なければ業績が分かりやすいバリュー株に比べて、見つけやすいと言えるでしょう。
グロース株を購入するデメリット
グロース株は短期間で大きく利益を出すことができる銘柄ですが、その分やはりリスクも存在します。
そこでここからは、グロース株を購入することで起こり得るデメリットについても見ていきましょう。
値動きが大きい
グロース株の株価には投資家の思惑がより直接的に関係しているため、企業の価値以上に株価が高くなってしまうことがあります。
特に、株価収益率(PER)が高くなってしまうことが多くです。
上場企業全体のPER平均は15倍あたりで推移していますが、マザーズ市場の銘柄では1,000倍を超える銘柄も複数あります。
やはり新しいサービス提供を行っていると、その分目につきやすくなりますし、人気が高まりやすい状態となっています。
しかし、その反面企業が提示しているビジネスがあまりうまくいかなかったり、投資家の期待を裏切るような運営が行われていたりすると、一気に株価が下がってしまうこともあります。
上がりやすく下がりやすい不安定な状態となっていることが多いため、事前に今の価格は割安か割高かをきちんとチェックしておく方がよいでしょう。
配当がない企業も多い
株式投資で利益を得る方法として、「値上がり益」「配当金」の2種類があります。
多くの投資家はこの両方を上手に活用して利益を出しているのですが、グロース株の場合は配当金があまり出ない場合が多くあります。
配当金とは、企業が売上の一部を顧客に還元することを指していますが、グロース株の銘柄の場合はまずは売上を自社の研究開発等に役立てていき、より収益を伸ばしてから還元すると考えているところも多くあります。
値上がり益と配当金では投資に対する考え方が大きく異なり、それぞれにメリット・デメリットがあります。
グロース株の場合は株価の変動によって発生する値上がり益は大きいですが、配当金はあまりないことが多いので、一攫千金を狙いたいという方におすすめです。
グロース株の探し方
グロース株に投資したいと思っている方の中には、どうやってグロース株を見つけたらいいのか分からないという方もいるでしょう。
そこで今回は、グロース株を探す時にチェックしたい4つの項目をご紹介していきます。
この項目を銘柄スクリーニング機能で選択して絞り込むことによって、簡単にグロース株を見つけることができます。
ROE(自己資本利益率)
ROEとは自己資本利益率ともよばれており、その名の通りその会社が持っている資産に対しての利益率のことを指しています。
ROEが高いと、少ない資本でより大きな利益を挙げているということが言えるので、効率のよい取引ができていることを示しています。
一般的にはROEの値は5~7%と言われており、10%以上であれば優良企業と判断することができます。
時価総額
時価総額とは、企業にどれくらいの価値があるのか、企業の規模はどれくらいなのかを示している指標のことです。
時価総額は株価が高い企業や発行済みの株式数が多いと高くなるため、グロース株を探している時には時価総額はそこまで高くなくても大丈夫です。
1,000億円未満の時価総額の企業を探してみると、今後成長する可能性の高い企業を発見することができるでしょう。
自己資本比率
自己資本比率とは、会社が抱えている資産のうち、返済する必要のない資金がどれくらいあるかということを指しています。
会社の資産は返済の必要ない自己資本と返済が必要な他人資本で成り立っており、自己資本比率が高ければその分健全な運営ができていると見ることができます。
グロース株を探す時には、50%以上の自己資本比率があれば十分でしょう。まだ立ち上げからまもない企業の場合、借り入れをしてスタートしているため自己資本比率が低いところもありますが、そのような企業の場合は借入の返済ができずに倒産してしまうリスクもあります。
そのため、より安定した運営ができている銘柄を選んでおいた方がよいでしょう。
業績の伸び率
ここまで紹介した3つの項目が問題なく伸びている企業の場合、直近3年程度の業績の推移を見てみましょう。
売上や利益が年率+20-30%のレベルで伸びているのであれば、グロース株ということができるでしょう。
特に売上の伸びが超重要です。
一方、利益は先行投資によりもともと赤字を見込んでいる企業も一定数あるため、
赤字になっている分、売上がしっかり伸びているかの見極めは必須です!
業績が上がっているのであれば、今後もそのまま上昇する可能性が高いので、期待できます。
まとめ
いかがでしたか?
グロース株とは、今後大きく株価が高騰していくと予想される企業のことなので、見つけて投資をしたいと考える方は多くいます。
しかし、メリットがある分損失の際のリスクも高くなってしまうので、その点には注意しておきましょう。
正しくグロース株を探し出すことができれば、大きな利益を獲得することもできますので、気になる方はぜひ今回紹介した項目をチェックした上で探してみてくださいね。