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第2のエムスリー&テンバガー候補 株式会社JMDC ビジネスモデル・決算・今後と将来性

今回は、株式会社JMDC(ジャパンメディカルデータセンター)の特集です。

メインはビジネスモデルの解説ですが、合わせて2020年11月5日に発表された第2四半期決算を、ご紹介したいと思います。

個人的には、グロース銘柄の中でも1、2位を争うくらい注目している優良銘柄で、第二のエムスリーと言えるぐらいの潜在能力を秘めた銘柄だと思います。

 

(※2022年3月13日:最新の内容に更新しました。)

 

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目次

 

株式会社JMDCの銘柄特徴

オリンパス株式会社 | アビームコンサルティングノーリツ鋼機株式会社、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う対応方針の更新のお知らせ | ノーリツ鋼機

もともとは光学機器メーカーオリンパスの子会社でしたが、そんな中オリンパス本体の粉飾決算が発覚しました。

事業売却する過程で、ノーリツ鋼機という東証プライム市場の会社が買収をしました。

 

現在もJMDCがノーリツ鋼機の子会社であり、かつ大株主の関係です。
JMDCも2019年に上場/IPOしたため、親子で上場企業になった状況です。

JMDCはBtoBサービスを展開する企業のため、一般の方で同社を知っている人はほぼいないと思います。

しかしながら、知れば知るほどすごく優良な企業なので、個人投資家であれば是非知っておいてください!

 

株式会社JMDCの時価総額

下記表は、2021年5月時点の東証グロース市場(旧マザーズ)の時価総額上位ランキングです。

1位はメルカリです。メルカリは一時期1兆円を超えましたが、2022年のグロース株全体の低迷により、現在は3,436億円となってしまいました。

その後に、ビジョナル、フリー、JTOWERと続いています。

 

JMDCは現在はプライム市場に属しますが、上場当時はマザーズ市場におり、当時から時価総額上位にいました。

仮に現在グロース市場にいたとしたら、メルカリに次ぐ2位に位置することになります。

 

東証グロース市場 時価総額

 

 

株式会社JMDCの株価関連情報

  • 決算月:3月
  • 上場日(IPO):2019年12月
  • 時価総額(初値):1,015億円
  • 時価総額(2022/5/6現在):3,419億円

上場/IPOしてからの1年間で株価は3倍になり、非常に大きな成長を見せているユニコーン企業です。
(ユニコーン=上場/IPO時に時価総額が1,000億円以上となった銘柄)

 

JMDC 株価

 

 

また、株価に関する参考指標を載せておきます。

こちらは2022年5月6日時点での指標です。

時価総額 3,419億円
発行済株式数 56,514,208株
配当利回り(会社予想) 0.00%
1株配当(会社予想) 0.00
PER(会社予想) 104.56倍
PBR(実績) 11.32倍
EPS(会社予想) 57.86
BPS(実績) 534.34
最低購入代金 605,00
単元株数 100株
年初来高値 8,630
年初来安値 4,795

 

 

ビジネスモデル 3C分析 ~自社~

「3C分析」とは、対象企業のビジネスモデルを理解する上で、非常に有名なフレームワークのことです。

下記3つの頭文字を取った分析手法です。

  • Customer(カスタマー、市場、顧客)
  • Competitor(コンペティター、競合)
  • Corporation(カンパニー、自社)

 

まず、「Customer」に関して見ていきます。

 

ミッション ~データとICTの力で持続可能なヘルスケアシステムを実現する~

JMDCを一言で言うと、ヘルスビッグデータを主力とするベンチャー企業です。
「データとICTの力で持続可能なヘルスケアシステムを実現する」というミッションを掲げてます。

 

経営陣 ~マッキンゼー等の戦略コンサル出身者が多数~

経営陣は社長の松島さんを筆頭に、戦略コンサルティング出身者で固められています。
松島さんはA.T.カーニー、マッキンゼー、その後は投資ファンド(丸の内キャピタル)、ノーリツ鋼機と移ってきて、今現在に至るという形です。

 

個人的な話ですが実は松島さんにお話をした機会がありました。

経緯としては、以前コンサルティング会社のケーススタディ(問題解決)のセミナーがあり、松島さんがそこで講師をされていました。
その時の印象が未だに残っています。コンサルティング会社出身ということもあってロジカルでわかりやすい説明をされていました。

 

社長以外も、マッキンゼーやBCG等、戦略コンサルティング会社出身の方ばかりで、かなり戦略を作るところに関して力があると思います。

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事業セグメント ~主力のヘルスビッグデータを中心に、3事業を展開~

1. ヘルスビッグデータ事業

JMDCのビジネスモデルの中心であり、全社売上の55%を占め、収益的にも柱の事業です。

特に製薬会社、保険会社、医療機関向けの売り上げが好調になっています。
JMDCが販売をしているデータを元に、顧客企業が研究、分析し、商品開発に活用しています。

 

2. 遠隔医療事業

遠隔医療事業=オンライン医療です。

JMDCに限らず、IT×ヘルスケアを手掛けている企業は、多かれ少なかれ、この遠隔医療のビジネスモデルに関与している傾向にあります。

具体的には、上場企業だとメドレーメドピア、MRTなどが事業展開しており、世の中から非常に注目されている分野です。

 

リアルの医療でも外科、内科、皮膚科、心療内科などなど様々な領域があるように、オンライン診療も領域がとても幅広いです。

そうした中でJMDCが注力しているのは、人員が不足している放射線診断専門医という分野です。

放射線診断専門医と画像診断依頼をつなぐサービス(マッチングサービス)で、売り上げをあげている状況です。

 

3. 調剤薬局支援事業

オンライン処方箋や予約システムの提供を行っています。

 

 

M&A ~上場/IPO1年足らずで、4社買収済~

これまでの4社の企業を買収して事業拡大をしています。

上場/IPOしてから1年も経過していない段階でも、すでに4社も買収しています。

M&Aに力を入れていることが見て取れると思います。

 

 

ビジネスモデル 3C分析 〜顧客〜

顧客ニーズ/消費行動

医療業界というのは学術論文、データを非常に重視する業界です。

JMDCもごたぶんに漏れず、同社ホームページを見ると、同社が研究している論文、レポートを大量に公開していています。

JMDCは、そうしたニーズに対してビッグデータで各ヘルスケアプレーヤーの商品開発や薬品開発に寄与しています。

 

市場規模/成長性

主力事業である医療ビッグデータの市場は、年平均成長率(CAGR)が+11%成長と、右肩上がりの見込みをしています。

 

 

ヘルスケアの各プレイヤーはこのビッグデータを利用できるようにして、事業展開をしているといった形です。

 

ビジネスモデル 3C分析 〜競合〜

3つの事業に分けてそれぞれ説明をします。

※JMDCの株式上場/IPO時にリリースされた、一般社団法人 証券リサーチセンターによる「ホリスティック企業レポート」をもとに記載。

 

ヘルスビッグデータ事業

このヘルスビッグデータ事業の分野では、健康保険組合等に対してデータ支援する企業は色々とあります。

 

例えば、以下が一例ですが、処理するデータの分野が異なることや、その多くが一次利用に留まっているため、営業現場で競合することはないとのことです。

  • ニチイ学館:保険者向けサービス
  • 日立製作所(6501 東証プライム市場)のグループ会社である日立社会情報サービス:「スマートアナリシス/HI」

 

他には、以下企業もビジネスモデルには類似性はありますが、そもそもの顧客が異なるため、直接の競合先にはならないようです。

  • メディカル・データ・ビジョン(3902 東証プライム市場):病院向けにサービスを展開

 

 

遠隔医療事業

遠隔読影マッチングサービスの分野では、JMDCは国内シェアトップと言われています。

競合先としては、以下の企業などが挙げられます。

  • セコム(9735 東証プライム市場)のグループ会社のセコム医療システム:「ホスピネット」という同様のサービスを提供
  • エムネス(広島県広島市):広島を中心に展開

 

また新興企業では、注目されているメドレーメドピア、MRTなどの上場企業があげられます。

特にメドレーは、この事業に力を入れたい方針はあるものの、全社売上のまだ1〜2割ぐらい程度の状況です。

対して、JMDCは既に一定の売上規模を誇っており、かつ3割くらいを占めている状況です。

 

調剤薬局支援事業

調剤薬局支援に関する競合も、メドレーなどが挙げられます。

 

これまでの競合先を一覧にまとめると、このようになりました。

JMDC 競合

 

決算ポイント

2020年11月5日に発表された、第2四半期の決算ポイントを説明します。

今回も非常に成長性が感じられます。
売上が前年同期比でプラス24%成長、EBITDA(営業利益に原価償却費を足し戻した値)が、プラス26%成長です。

3つの事業のうち遠隔医療、調剤薬局支援はコロナ禍で少し減収しましたが、全体で見ると増収となります。
つまり、ヘルスビッグデータ事業の成長率が、他の2つの事業を補って余りある成長をしている状況です。

 

単位:百万円

四半期のみ 今期
第2四半期
2020年7〜9月
前年同期
2020年7〜9月
前四半期
2020年4〜6月
売上

成長率
3,763

-

3,068

22.7%

3,212

17.2%

営業利益

成長率
営業利益率
750

-
19.9%

622

20.6%
20.3%

357

110.1%
11.1%

当期純利益

成長率
当期純利益率
866

-
52.1%

667

29.8%
56.9%

235

268.5%
10.2%

 

下の表は6ヶ月累計の数字なります。
売上は69.75億円で前年同期比プラス24%成長
営業利益は約11億で、こちらも前年同期比プラス24%と、かなり堅調に推移しています。

6ヶ月間累計 今期
第2四半期
2020年4〜9月
前期
第2四半期

2019年7〜9月
売上

成長率
6,975

-

5,626

24.0%

営業利益

成長率
営業利益率
1,107

-
15.9%

888

24.7%
24.2%

当期純利益

成長率
当期純利益率
1,101

-
15.8%

855

28.8%
15.2%

 

決算 PL(損益)

今回の第二四半期が7-9月期の決算となるため、この3ヶ月間の売上だけでも37.63億円で前年同期比プラス22%、前四半期と比べてもプラス17.2%の成長となっています。

営業利益はこの3ヵ月で7.5億円、営業利益率も19.9%と、かなり高い利益率になっており、成長が感じられます。

 

決算 KPI

ビッグデータ事業に関して、上位5顧客の平均取扱高が以前に比べてプラス31%成長となってます。

そもそも、ビッグデータをどこから得ているかという点に関してですが、JMDCは様々な健康保険組合とつながりがあり、健康保険組合に登録している人(会社員など)からのデータとなります。

現時点で、895万人分ものデータを保有しています。年々増えており、2019年4月と比べると+27.3%ほど増えている状況です。

 

 

【New!】最新決算内容(2022年2月7日発表)

JMDCは2022年2月7日に、2022年3月期 第3四半期決算を発表しました。

 

同社は、グロース株の代表的な銘柄と言われますが、その名に恥じず、毎回好業績かつ高い成長率を見せております。

今回の決算も、下図の業績ハイライトの通り、文句なしの業績です。

  • 売上高:156億
  • EBITDA*:45億
    (いずれも第3四半期=9ヵ月間の累計)

* EBITDA:
ざっくり言うと、営業利益に減価償却費を足し戻した数値。
通常、営業利益は減価償却費が引かれますが、インフラなど設備投資が巨額な業界には、このEBITDAが良く用いられます。

 

営業利益も前年同期比+41%成長の34億円で、営業利益率も22%と、非常に高いです。

 

事業セグメント別でみると、ヘルスビッグデータ事業が全社売上156億円のうち、6割以上を占めております。

かつ、前年同期比の成長率も一番高い事業のため、ヘルスビッグデータ事業が成長を続けるうちは、JMDCは安泰とも言えます。

 

 

 

私的注目ポイント

個人的に注目したポイントが2つあります。

①新株発行で106億円調達

106億円と多額の資金を調達したという事で、今後の研究開発やM&Aでの利用が見込まれます

新株発行については、決算発表日からあえて意図的に数日後に発表したのかなと思いますが、この発表をうけて株価は一時的にストップ安になりました。

 

JMDCに限らず、新株発行は株数が増える資金調達手法となります。

これは、既存株主からすると1株あたりの利益(EPS)が薄まってしまい、希薄化の懸念という形になり、基本的には株価が下落する要因となります。

②競合との連携

遠隔診療事業で、競合となるメドレーやメドピアと一部提携を発表しました。

競合とバチバチ争うというよりは、遠隔診療という新しい分野の領域を一緒に広げていこう、という意識のほうがJMDCとしては強いのかなと感じられました。

結果的に市場が拡大していくと、すでに先行している同社は当然プラスに働くところなので、戦術としては非常にうまいと思っています。

 

 

株式会社JMDCの今後と将来性

ここから先は、今後と将来性に関する論点を、ご紹介していきたいと思います。

 

1. ビジネスモデル SWOT分析

まず、「SWOT分析」になります。

この分析も、3C分析と同じように、ビジネスモデルの理解上よく使用されるフレームワークになります。

特に、以下の「機会」と「脅威」は、同社の将来性を見る上でも重要な切り口です。

 

 

 

強み

ビッグビジネスを活用したいヘルスケアのプレイヤーとして、幅広い顧客層を持っています。
そこに対して既に様々なアプローチができている点は強みを生かせていると思います。

またベンチャー企業なので経営陣の力はかなり重要ですが、プライム市場上場かつ親会社であるノーリツ鋼機の信用力も強みだと思います。

 

弱み

一部のアナリストがそう書いてましたが、ビッグデータの健康保険組合のデータは必ずしもヘルスビッグデータのすべてではないといったことがあります。
つまり、少し偏りがあるのではないかという主張だと思いますが、弱みというほどのものではないと個人的に思います。

 

機会

ヘルスビックデータは右肩上がりの市場規模の伸びを計画しています。
また遠隔医療に関しては、政府はオンライン診療の分野に力を入れていく方針を出していますので、ここが政府主導で開拓されていくと成長が期待できます。

 

脅威

ビッグデータというのは、オープン化されてしまう可能性もリスクとしてはあるのではないか、という点が脅威です。

 

 

2. 証券アナリストによる格付けレーティング

格付けレーティングも、色々な分析を通じて、企業の将来性を評価する作業となります。

結論からいうと、アナリストによるJMDCへの格付けは、非常に良いです。

 

下記表は、2021年以降の格付け推移です。

最初はNeutral(中立)評価だったものが、Buy(買い)に格上げとなり、それ以降、どの証券会社からも高い評価が継続しています。

 

 

目標株価も同様に、常に右肩上がりで、直近では10,000円以上とターゲットとしています。

 

こうした点からも、JMDCの今後の将来性は高いと、証券各社から評価されていると考えます。

 

(注)この記事を書いている2022年2月初旬は、アメリカの金融政策変更に伴う世界的なグロース銘柄への逆風で、JMDCだけでなく多くの銘柄が株価下落していますが、JMDC自体の業績の強さは不変と考えます。

 

 

3. 私的投資判定

個人的な投資判定としても、同社の今後の将来性は非常に高いと考えます。
短期的にも中長期的にも「買い」の銘柄と思っています。

 

プラス面では、競合他社と比べると事業が内容的にも売上的にもだいぶ先を進んでいる点です。

マイナス面では、代表的なグロース株ゆえに、やはりPER(株価収益率)が高い点です。

高PER銘柄は、株式市場全体の転換局面では株価が大きく乱高下する場合があるため、株を保有する際は注視が必要です。

 

 

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