(※2022年3月13日に最新の情報にアップデートしました。)
今回は個別銘柄紹介、東証マザーズに上場の「ニューラルポケット株式会社(4056)」です。
こちらのビジネスモデルと決算解説をご紹介していきます。
ニューラルポケットは、AIによるスマートシティソリューションを通じて、社会課題を解決する会社です。
2020年に上場したばかりで、まだ規模も小さいので知らない方も多いかもしれませんが、個人的にはAI分野では分野では1,2位を争うくらい注目しています。
2022年の最新決算や、同社のM&Aについても触れていますので、是非最後までご覧ください。
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目次
- ニューラルポケット株式会社の銘柄特徴
- ニューラルポケット株式会社の会社概要
- 代表取締役社長 重松 路威氏について
- 主要株主 ~重松 路威氏と資産管理会社で約2/3保有~
- 3C分析
- NEW!ニューラルポケット株式会社の決算(2022年2月10日発表の内容あり)
- NEW!ニューラルポケット株式会社のM&A(2022年2月21日発表の内容あり)
- 私的注目ポイント
- SWOT分析
- 証券アナリストの株式レーティング
- リスク情報及びその対応策
- ニューラルポケット株式会社は個人投資家のファンが多い
- さいごに ~ニューラルポケット株式会社の将来性と今後
- Youtube動画のご紹介
ニューラルポケット株式会社の銘柄特徴
まずスゴイのは、創業者の重松路威さんが会社設立~マザーズ上場までを、なんと2年半で成し遂げている点です。
歴代最短レベルでのスピード上場になります。
また、売上・利益額はまだ小さいですが、上場直後は時価総額が1,000億円に近い推移となりました。
これはやはり、AI銘柄で期待値も高いことが要因と考えられます。
しかし、その後、株価は右肩下がりになっています。
これは、
これは、同社のように多くのVC(ベンチャーキャピタル)から出資を受けていた会社は、上場後にVCが株を売却するため、上場後数ヶ月間は株価が大きく上がることは少ないです。
上記のチャートに当てはめると、上場から12月くらいまでがVCの売り圧力があった期間と想定されます。
その後は、緩やかに右上がりになっています。
また、株価に関する参考指標を載せておきます。
こちらは2022年5月6日時点での指標です。
時価総額 | 182億円 |
発行済株式数 | 14,296,200株 |
配当利回り(会社予想) | 0.00% |
1株配当(会社予想) | 0.00 |
PER(会社予想) | 9,135倍 |
PBR(実績) | 13.96倍 |
EPS(会社予想) | 0.14 |
BPS(実績) | 91.59 |
最低購入代金 | 127,900 |
単元株数 | 100株 |
年初来高値 | 1,725 |
年初来安値 | 910 |
ニューラルポケット株式会社の会社概要
社名 | ニューラルポケット株式会社(英語表記 Neural Pocket Inc) |
設立 | 2018年1月22日 |
所在地 | 【本店】 東京都千代田区有楽町1丁目1番2号 東京ミッドタウン日比谷 日比谷三井タワー32F 【シンガポール支店】 9 Straots View, Marina One West Tower, #06-07, Snigapore018937 |
代表者 | 重松 路威 |
従業員数 | 38名(2020年12月末現在) |
資本金 | 18.5百万円(2020年12月末現在) |
実は、2018年の設立時は現在の社名とは異なり、「ファッションポケット」という名を名乗っておりました。
これは、AIを活用したファッションコーディネート解析技術やECモールの事業展開から始めたためです。
その後AIがあらゆる産業に展開できるとの見立てから、2019年には、社会課題解決のためのAI活用へと事業拡大を目指し、社名をニューラルポケットに改名しました。
さらに、創業からわずか2年7カ月の2020年8月には、東証マザーズに上場を果たしました。
代表取締役社長 重松 路威氏について
代表取締役社長の重松 路威さんの経歴がスゴイので、ここでご紹介したいと思います。
学歴および職歴を下記に記載します。
・東京大学工学部卒業、東京大学大学院(修士)職歴
・2006年4月 マッキンゼー・アンド・カンパニー入社 東京支社、独フランクフルト支社、米シカゴ支社勤務を経験・2016年1月 同社パートナー就任・2018年1月 ニューラルポケットの前身となるファッションポケットを設立 代表取締役社長就任(現任)・2021年1月 東京大学大学院工学系研究科「工学部アドバイザリボード」メンバー就任
まず、東京大学大学院を卒業されて、新卒で世界的に有名な戦略コンサルティング企業である、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社されています。
海外勤務もご経験されて、入社からわずか10年でコンサルタントの役職としては、最上位であるパートナー(共同経営者)に就任されました。
戦略コンサルティング会社は、大企業の重要なミッションに関わることから、プレッシャーの大きさや激務、社内での激しい競争が有名で、数年で退職される方が大半です。
しかし、重松さんはパートナーの役職にも就き、計12年間マッキンゼーに在籍していたことは非常にスゴイことです。
重松 路威さんの起業のきっかけ
日経新聞の記事によると、重松さんが起業するきっかけは、17年に米シリコンバレーを訪れ、同じマッキンゼー出身のステファン・ヘック氏に出会ったこととのことです。
自動運転のための画像を分析する米ナウトの最高経営責任者(CEO)で、激しい競争に身を置いており、またナウトには米ゼネラル・モーターズや独BMWなどが出資し、多くの資金を調達していました。
そうした同じ企業出身者の活躍を見て、重松氏は「変化の最前線にいたい」との思いを強くしていったとのことです。
主要株主 ~重松 路威氏と資産管理会社で約2/3保有~
以下は、2021年12月31日時点の大株主の状況です。
重松路威社長と、オフィス重松株式会社(重松路威社長の資産管理会社)で1,2位を占めます。
合計で約63%保有し、2/3に近い保有比率です。
(出典:ニューラルポケット株式会社 株主総会招集通知)
ちなみに、1.97%保有の篠塚孝哉氏は、令和トラベルという会社の経営者ですが、そこの社外取締役として重松路威社長が就いています。
ゆえに、身近な人物も含めると、全体の2/3以上の株を保有しており、会社としては安全な株主構成と言えます。
ニューラルポケット株式会社の3C分析
ご存じの方も多いと思いますが、「3C分析」とは下記3つの頭文字で、環境分析の基本的な手法です。
- Company(自社)
- Customer(顧客・市場)
- Competitor(競合)
自社
目指す姿
AIスマートシティー革命
眼を持ったAIカメラを街にもたらすことで、リアル空間のデジタル化と社会課題の解決を目指す。
事業セグメント
単一セグメント(展開領域は6)
・ファッション解析
・サイネージ広告
・3D都市マップ
・人流・防犯
・在宅勤務支援
・駐車場・モビリティー
経営陣
・代表の重松路威さんは、マッキンゼーでパートナー(共同経営者)を経て、ニューラルポケットを創業
・他の役員もマッキンゼー出身者多い
サービス
・サブスクでライセンス販売
・事業共同開発(受託開発はしない)
顧客・市場
・顧客ニーズや消費運動
政府によるスマートシティーへの実現に向けた取り組み開始
・スマートシティーとは
都市の抱える諸課題に対して、ICT等の新技術を活用しつつ、マネジメントが行われ、全体最適化が図られる持続可能な都市または地区
【解決できる分野例】交通、自然との共生、省エネルギー、安心安全、資源循環
スマートシティー市場規模は100〜200兆円
スマートシティー市場はアジアが成長源
↓こちらの会社でのサービス例を見ていきます。
・エッジAIコンピューティング
18年:110億円
↓
30年:664億円まで
年率16.2%の成長予測

・主要取引先一覧
創業からしばらくは特定顧客に偏っていましたが、直近では分散が進んでいます。
相手先 | 2018/12期 | 2019/12期 | 2020/12期 第2四半期累計期間 |
|||
販売高 | 構成比 | 販売高 | 構成比 | 販売高 | 構成比 | |
(千円) | (%) | (千円) | (%) | (千円) | (%) | |
ソフトバンク | - | - | 175,000 | 56.2 | 189,000 | 57.8 |
クロスプラス | 60,000 | 99.7 | 55,000 | 17.7 | - | - |
三陽商会 | - | - | 48,000 | 15.4 | - | - |
クリューシステムズ | - | - | - | - | 49,800 | 15.2 |
イグアス | - | - | - | - | 34,850 | 10.7 |
ニューラルポケット株式会社の競合
・大手IT企業
Google、Microsoft、日立製作所、NECなど
・ベンチャー企業
PKSHA Technology(3993)、Preferred Networksなど、深層学習に関するアルゴリズムやライブラリを開発・展開するAI専業ベンダー
競合との差別化について、代表の重松路威社長が日経新聞の取材に対し、次のように答えていました。
「クラウドを使わずに端末上のソフトで画像を解析してデータ分析できるところだ。
カメラなどの端末からサーバーに送るのは、画像ではなく解析した後のテキストデータだけで、通信や電力のコストが大きく減る。個人情報の保護の面でも優位性がある。
AIを使った画像解析の特許を自社で持っているので、サービスを独自に広げられる」
これが、同社が特徴に推している「エッジAI」の強みになります。
データを処理する量が増えるほど、サーバー稼働も増え、コストが大きく増加しかねないですが、同社は事業拡大が進んでもその点を競合に比べて抑えることができるのは、大きな特徴です。
ニューラルポケット株式会社の決算
PL(損益)
■売上:+145%の成長
■利益:黒字化を達成
(単位:百万円)
①四半期のみ
|
今期 2020年通期 |
前期 2019年通期 |
売上 | 762 | 311 |
成長率 | 145.0% | - |
経常利益 | 148 | ▲139 |
成長率 | - | - |
営業利益率 | 19.4% | - |
当期純利益 | 147 | ▲139 |
成長率 | - | N/A |
当期純利益率 | 19.3% | N/A |
New!最新決算内容(2022年2月10日発表)
ニューラルポケットは2022年2月10日に、2021年12月期 通期決算を発表しました。
まず、通期実績値は、業績予想とほぼ一致しました。
成長率については、売上が対前年比で+32%成長は素晴らしいです。
が、利益は改めて見ると年間で2,000万円と、やはり物足りないですよね。。。
しかし、なんと言っても、今期計画値がある意味すごいです。
対外的な売上予想値は18億ですが、社内的な⁈売上の目標値はなんと40億!
これはいわゆるM&Aなどの不確実性の高い内容も含めた数字のようですが、コミット数字ではないとはいえ、こういう数字を外部に公表するのは珍しいです。
ただ、私の推察では、40億という具体的な数字がでたということは、現在仕込んでいるM&A案件があることの裏付けかな、とも思います。
その案件が無事成約になるのか、ならないのかは神のみぞ知る、といった感じでしょうか。。。
NEW!ニューラルポケット株式会社のM&A(2022年2月21日発表の内容あり)
ニューラルポケットは2022年2月21日に、屋外向け電子看板を展開する、株式会社ネットテンの買収を発表しました。
買収額は24億円です。
この買収の狙いは、昨年開始した「デジタルサイネージ(電子看板)事業の強化」につきます。
そして、これは同社の売上・利益にも、将来性や今後に大きく貢献するものになりそうです。
デジタルサイネージ事業は、昨年のM&Aを機に本格的に参入した事業です。
同社のM&Aの歴史を振り返ると、こんな流れです。
- 2021年10月22日 フォーカスチャネル社を買収
- 2022年2月21日 ネットテン社を買収
2021年のフォーカスチャネル社は、買収時の対象会社の売上見込みが0.53億、最終利益は0.06億と少額なものでした。
そのため、買収額も2.5億円でした。
ですが、今回のネットテン社は、直近の売上実績が17.8億、最終利益は1.2億です。
これは実は、ニューラルポケット本体の業績よりも大きいです!
そのため、業績面からだけ見ると、小が大を飲み込む形となっております。
(ただ時価総額では、ニューラルポケットの方が圧倒的に大きいため、今回の買収に至っています)
なお、ネットテン社の特徴ですが、以下の通りです。
(中略)全国に 9 か 所の営業拠点を構え、これまでに約 7,000 社に対し、10,000 台以上を販売設置した実績を有しています」
営業拠点も多く、販売実績も豊富なのは、ニューラルポケットには非常にプラスに働くことでしょう。
先ほどの決算でも触れましたが、ニューラルポケット社の2022年2月の決算発表資料で、目標売上額がやけに高く表示されていたのは、この案件が要因だったと確信しました!
ニューラルポケット株式会社の私的注目ポイント
1.官公庁や大企業との連携が進んでいる
特に地方自治体との活動が活発(国内外の街づくり・スマートシティー活動が推進)
2.四半期ごとの営業利益率の向上が顕著
直近の第4四半期では、29.5%と高利益率の実績
ニューラルポケット株式会社のSWOT分析
※Strength/Weak/Opportunity/Threat
4つのカテゴリーで要因分析し、事業環境変化に対応した経営資源の最適活用を図る経営戦略策定方法
ニューラルポケット株式会社の証券アナリスト 株式レーティング
上場時の主幹事証券会社がみずほ証券だったため、みずほ証券が定期的に格付けレーティングをだしています。
ただ、みずほによるアナリストレーティング・目標株価は、残念ながらどんどん格下げされています。。。
その要因は、下記2点と考えられます。
- 今期利益が前期に比べて大きく減少したこと
- 祖業のAI事業の成長が鈍化していること
しかしながら、直近2件のデジタルサイネージのM&Aにより、今後安定して業績が伸びることが見込まれますので、
それに伴い、アナリストの今後の評価も高まるものと考えます。
ニューラルポケット株式会社のリスク情報及び対応策分析
最後に、リスク情報になります。
株式投資にかかわらず、投資にはリスクがつきもののなので、必ず把握しておきましょう。
下の表は、2021年12月に同社が発表した「事業計画及び成長可能性に関する事項」に、記載された最新のリスク情報です。
こちらには計6項目のリスクがあります。この中には、本ブログの前半にも記載した、主要取引先に関する項目もあります。
個人的には、この項目が最も高リスクだと考えていましたが、会社側の見解では「可能性:低」「影響度:小」と、あまり問題ではないようです。
これはおそらく、以前に比べて取引先が分散されてきた等が背景にあると思います。
ちなみに、このリスクに関する把握方法については、下記の記事でも詳しくご紹介しています(動画含む)。
ぜひご視聴ください!
ニューラルポケット株式会社は個人投資家のファンが多い
ブログや各SNSをやっていると、ニューラルポケット社のファンの多さに驚きます。
例えば、私が株式投資に関するYoutubeを運営していますが、再生回数が初めて1万回を突破したのが、このニューラルポケットを解説した動画でした。
一つの企業の分析動画で、こんなに伸びるとは思いもしませんでした。
(このブログの一番最後にアップしています。是非ご覧ください)
twitterでも、同社の決算やM&Aについてつぶやくと、他のツイートより良いリアクションが返ってきやすいです。
Web検索をしても、同社のブログを書かれている方が非常に多いです。
これはやはり、同社が掲げている「AIスマートシティ革命」に共感し、同社の将来性や今後に強い期待を寄せている方が多いことの表れだと思います。
さいごに ~ニューラルポケット株式会社の将来性と今後
ニューラルポケット社はもともと「AIスマートシティ革命」を掲げている企業です。
そんな中、M&Aを通じてデジタルサイネージに注力するのは、事業方針の転換か⁈とも映るかもしれません。
ですが、そもそもAIは、世の中的にもまだまだ発展途上の領域であり、同社以外も業績は不安定です。
そうした状況に対して、デジタルサイネージはストック型(サブスク)であり、収益予測が非常に立てやすいビジネスモデルです。
ゆえに、ここで収益の柱を作り、生まれたキャッシュをスマートシティAIに投資することは、投資家から見ても安心材料になると考えます。
昨年2021年は株価は低迷してしまいましたが、今後の同社の巻き返しに期待したいと思います。
また、ニューラルポケットが展開する「AIスマートシティ革命」が実現すれば、非常に明るい社会が創られると思い、個人的にとても応援しております。
同社については、社長はじめ経営陣の方々が非常に優秀なので、その辺を下記記事でも解説しております。こちらもぜひご覧ください!
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日本株・米国株も「手数料無料」の証券サービスでコミュニティー機能もあります。
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