企業分析/決算へ投資 株式へ投資

ルネサスエレクトロニクス株式会社の今後の将来性はやばい?株価はなぜ下がる?

【はじめに・こんな疑問/お悩みありませんか?】

  • ルネサスエレクトロニクスってどんな会社?
  • なぜこんなに業績が伸びているのか?
  • 株価が上昇した時期と下落した時期の要因は何?
  • 従業員の年収は高い?その理由は?
  • 同社の今後の将来性は?

 

このブログでは、そんな疑問を一気に解決いたします。ぜひ最後までお読みください。

 

ルネサスエレクトロニクス Youtube動画のご紹介

 

【このブログの筆者ご紹介】

 

株を買うなら「マネックス証券」をオススメします。

なぜなら、主要ネット証券最安水準の手数料!

Webでも、スマホアプリでも、サクサクでき、ストレスがありません。

是非この機会に口座解説をしてみてください。

■マネックス証券 ↓

マネックス証券

 

 

ルネサスエレクトロニクス株式会社の会社概要

ルネサスエレクトロニクス株式会社の企業情報

本社所在地 東京都江東区豊洲三丁目2番24号(豊洲フォレシア)
業種分類 電気機器
設立年月日 2010年4月
決算 3月末日
従業員数(連結) 20,962人

 

ルネサスエレクトロニクスの設立は、この2社の経営統合によって2010年4月にできた企業です。

・三菱電機および日立製作所から分社化していた「ルネサス テクノロジ」
・NECから分社化していた「NECエレクトロニクス」

 

実は、2010年代前半は業績不振による経営悪化のため、産業革新機構によって、実質国有化されました。

そこから様々なリストラを通じて、2014年に黒字化し、経営再建がなされました。

 

 

ルネサスエレクトロニクス株式会社の事業内容

国内では、東芝系のメーカーであるキオクシアと並ぶ、最大手の半導体メーカーです。

特に、自動車向けが強く、車載向け半導体シェアでは、世界3位に入る規模です。

 

現在のセグメントは、以下の2つとなっております。

  • 自動車
  • 産業・IoT・インフラ分野

 

 

2つのセグメント売上の四半期推移をみると、どちらも成長していますが、

足元では、産業インフラIOT向けが、ついに自動車向けをぬいて急成長しています。

ルネサスエレクトロニクス株式会社の市場規模

市場規模の動向について、こんなうたい文句のレポートがあります。

「人類の文明が進歩する限りは、成長が続く」

半導体は「経済の血液」とも言われており、あらゆる電子機器に導入されています。
加えて、近年は電子機器の高度化が進み、導入される半導体の数も質も高まっています。

 

そんな点から、半導体はこれからも伸び続けると言われる背景になります。

半導体 市場規模

(出典:EETimes Japan)

 

 

ルネサスエレクトロニクス株式会社の株価関連情報/株価チャート(2022年6月3日時点)

時価総額 2,989,694百万円
発行済株式数 1,948,953,346株
配当利回り(会社予想)
1株配当(会社予想)
PER(会社予想)
PBR(実績) (連)2.22倍
EPS(会社予想)
BPS(実績) (連)691.64
最低購入代金 153,400
単元株数 100株
年初来高値 1,561
年初来安値 1,145

(出典:Yahooファイナンス)

 

次に株価です。

こちらは前身のルネサステクノロジからの株価推移となります。

2009年に2,000円を割り込んでからは、長期でみるとほぼ横ばいです。

ルネサスエレクトロニクス 株価

 

ちなみに、2022年年初からの株価も見てみましょう。

2022年はハイテク株中心に世界的に大きく下落した年ですが、ルネサスの株価はあまり下がっていません。

直近はむしろ上昇基調です。

ルネサスエレクトロニクス 株価

 

ルネサスエレクトロニクス株式会社の配当 ~配当がないのはなぜ?~

結論から言うと、配当は現状では0円です。

同社の配当政策の方針を見てみましょう。

この方針からいくと、現状は剰余金が研究開発、設備投資に費やされており、配当まで手が回らないということでしょうか。

 

ただ、まずは自社株買いを念頭に、2022年12月期からは株主還元も再開する意向を示してしました。

(出典:日本経済新聞)

 

そんな中、2022/4/27、発行済み株式の8.6%を上限に自社株TOB(株式公開買い付け)を実施すると発表しました。

買い付け総額は最大2000億円。 1株1190円と27日終値(1333円)を11%下回る水準で、筆頭株主のINCJ(旧産業革新機構)が応募契約を結んでいます。

 

こうしたことから、自社株買いの次は、配当に期待が持てる展開になってきていると考えます。

同社の将来が楽しみですね。

 

ルネサスエレクトロニクス株式会社の平均年収

同社の平均年収は、業界的には高い水準と言えます。

会社四季報によると、平均年収は882万円となっています。

 

また、従業員の口コミが閲覧できるサイト「openwork」というサイトがあります。
これによると、同サイトに投稿した従業員146人の平均年収は766万円です。

四季報とopenworkの年収差ですが、openworkに投稿している層が比較的若い社員が多いとみられるためです。

openwork上の職種ごとの内訳は写真のとおりです。

ルネサスエレクトロニクス 平均年収

 

ルネサスエレクトロニクス株式会社の採用

同社は連結で、20,962名もの社員数がおります。

その中で、同社のエンジニア数は公表されておりません。

ですが、半導体というハイテク企業であり、かつメーカーであることから、全従業員の半分くらいはエンジニアが占めるのでは、と想定されます。

 

実際に、ルネサスエレクトロニクスの採用サイトを見ると、このように様々なエンジニア職種を募集しています。

https://jobs.renesas.com/?locale=ja_JP

 

このサイトから直接の応募もできますが、より合格確率をあげるには、以下のエージェントに相談した上で、応募することがオススメです。

無料なので、是非お気軽に利用してみてください。

・パーソルキャリア

 

ルネサスエレクトロニクス株式会社の競合

(出典:週刊エコノミスト)

競合企業は世界の名だたる企業です。
こちらのグラフをご覧ください。
これは、半導体メーカーの売上高の世界トップ10です。

このように、インテル、サムスンからはじまり、すべて「海外勢」で占められています。

 

また日本企業に限定したグラフがこちらです。
この中では、ルネサスエレクトロニクスは3位に入ります。

(出典:週刊エコノミスト)

ただ、規模的には先ほどの世界とは大きく劣ることがわかると思います。

このため、ルネサスエレクトロニクスとしては、色々な半導体の種類を作るというよりは、車載向け、IoT向けなど、ジャンルを絞ることが大事なことがよくわかります。

 

※ちなみに、とあるサイトに「ルネサスエレクトロニクスの競合には、東京エレクトロンが挙げられます」といった記載がありました。
こちらは大きな間違いです。

なぜなら、ルネサスエレクトロニクスは「半導体メーカー」ですが、東京エレクトロンは「半導体製造装置メーカー」だからです。

ゆえに、2社は競合ではなく、むしろ取引先です。

 

 

ルネサスエレクトロニクス株式会社のM&A

ルネサスエレクトロニクスは、特に2010年代後半から、M&Aを積極化させました。

  • 2017年:米国 インターシル
  • 2019年:米国 インテグレーテッド・デバイス・テクノロジー
  • 2021年:英国 ダイアログ・セミコンダクター

ルネサスエレクトロニクス M&A

(出典:週刊東洋経済)

 

これらのM&Aは業績やシェア獲得には貢献したものの、3社の買収金額は、計1兆7,000億円規模に膨らみました。

ゆえに、同社の財務負担は大きく増加しました。

 

ルネサスエレクトロニクス株式会社の決算

前期2021年12月期決算は、最終利益が6期ぶりの最高益となった同社ですが、

2022年4月27日に発表された、今期第1四半期の決算は、以下の通りです(カッコ内は対前年)
・売上高:3,467億円(+70.2%)
・営業利益:1,355億円(+829億円)

ルネサスエレクトロニクス 決算

増収増益となったこの要因ですが、以下2点に集約されます。
・世界的な半導体需要の活発化
・利益率の高いIoT関連の売上構成比アップ

この流れは、同社にとって非常に良いものといえます。
その理由はこれまでの自動車業界との取引関係にあります。

自動車業界とルネサスエレクトロニクスの関係

従来より車載向けに力をいれていた同社ですが、力関係としては、どうしても下請けの立場にありました。
図にすると、このような形でした。

(出典:週刊東洋経済)

 

産業ピラミッドの頂点であるトヨタ自動車と、そのティア1(1次下請け)であるデンソーがルネサスの株主であり、
それらの要求に応えるために、利益率の低い車載向けに依存する状況となっていました。

 

ところが、最近は状況が大きく変化しつつあります。

  • IoT関連での半導体需要が急増
  • コロナ禍で、半導体を搭載する電子機器の需要が急増

(出典:週刊東洋経済)

 

半導体の限られたパイを、自動車やIT、電気機器メーカーが奪い合うようになってきています。

実際に、ルネサスの大株主であるトヨタ自動車ですら、「最近はルネサスが言う事を聞いてくれない」といったグチをこぼしているくらいです。

 

その結果、ルネサスエレクトロニクスの車載向けの販売割合は、はじめて5割をきりました。

 

ルネサスエレクトロニクスは「やばい会社」?

webでルネサスエレクトロニクスを検索しようとすると、「やばい」という付属ワードが、表示されることがあります。

この「ルネサスエレクトロニクス やばい」とはどういう意味でしょうか?

 

結論から言うと、現在のルネサスはやばいといった状況ではありませんが、調査してみたところ、大きく2つの要因があることがわかりました。

  1. 過去のリストラ
  2. 買収による巨額ののれん代

それぞれ見ていきましょう。

 

1. 過去のリストラ

ルネサスエレクトロニクスは2000年代から続いた経営不振の末、2013年に国策企業である産業革新機構の傘下に入り、実質国有化されました。

それから、リストラに次ぐリストラを行い、従業員数が半数にまで減るなどして、ようやく黒字化にこぎつけました。

このリストラで多くの技術者が流出し、ルネサスの技術力が落ちたともいわれております。

 

ですが、近年のルネサスは業績が非常に好調です。

昨年度の営業利益は、1,836億円もたたき出しており、増収増益です。

世の中的な半導体不足もしばらく続きそうで、当面の間リストラの心配はいらないと考えます。

 

2. M&Aによる巨額ののれん代

まず、のれん代とは何か?ですが、これは企業買収時における「買収金額ー買収先企業の純資産」の差額です。

純資産は会社が解散する際に残る、純粋な資産を表しているため、
それを上回る買収金額分を表すために、のれん代が会計上利用されています。

ルネサスは近年、買収に次ぐ買収をしており、直近の決算のバランスシートに載っている「のれん代」は、なんと1.17兆円にもなります。

通常はこののれん代を、減価償却費のように一定期間に分割して費用計上していきます。

 

しかし、ここからがのれん代が「やばい」と言われるゆえんで、
もし、買収先企業の業績が想定より悪化した場合、のれんを一括で費用計上しなければなりません(基本的に特別損失)。

そうすると、巨額の赤字を計上することとなり、業績悪化→リストラ、といった流れが懸念されることになります。

これは同社最大のリスクといえます。

 

ルネサスエレクトロニクス株式会社のアナリストカバレッジ

ルネサスのアナリストカバレッジ(同社を担当しているアナリスト)はこちらです。

やはり、半導体業界の中でも、最注目の1社であるため、同社のカバレッジ人数はとても多いです。

 

 

ルネサスエレクトロニクス株式会社の格付けレーティング

どの証券も「買い」です。

ここまで評価が統一されているのは、きわめて珍しいです。

ルネサスエレクトロニクス 格付けレーティング

 

ルネサスエレクトロニクスの投資リスク

筆頭株主である「株式会社INCJ」の存在

まず、筆頭株主である「株式会社INCJ(旧・産業革新機構)」の存在は要注意です。

2022年4月の自社株買いにより、INCJの持株比率は20→13%まで減少しました。
しかし、ファンドであるゆえに、持株の価値が高まれば利益を出す為に売却する可能性は、今後十分にあります。

大株主による売却は、大規模な売り圧力となり、株価の下落要因となります。

ゆえに、INCJの動向は慎重に観察すべきです。

 

たび重なるM&A

次に、先述の通り、ルネサスは最近M&Aを加速させています。

企業文化はそれぞれであるために、その後の統合作業が難航することが多々あります。

この統合作業をPMI(ポストマージャーインテグレーション)と言います。

 

私も本業で経験ありますが、異なる文化の企業が一緒になろうとすると、特に初期は非常にあつれきを生むことがあります。

それにより、従業員退職が相次いだり、派閥が生まれたりすることがあります。

買収するだけでなく、その後のPMIが、企業運営では非常に大事となります。

PMIが上手くできないと、見込んでいたシナジー効果が出せず、買収そのものが失敗に終わる可能性があります。

 

固定費率が高い

ルネサスのように大規模な製造の固定資産を持つ企業は「減損リスク」が高いです。

減損の会計処理は、先ほどふれた「のれん代」とほぼ等しいです。

「減損」とは、その固定資産において一定期間で見込んでいたキャッシュフローが、見込めなくなる(見込みを下回る)場合に、差額を特別損失として計上することを言います。

直近では、工場火災により減損損失を出すなど、製造業では割と頻繁に発生する事象です。

この減損損失額が大きいと、一気に赤字転落することもあり得るため、注意が必要です。

 

ルネサスエレクトロニクス株式会社の将来性・まとめ

先程見たopenworkにて、従業員の声を聞いてみましょう。

 

【ポジティブ】

まず、「市場規模の拡大」を好機に捉える声もありました。

やはり、この点は市場規模のところで述べたとおりであり、自動車だけでなく、5G、IOTなど様々な分野で半導体が欠かせないです。

 

【ネガティブ】

つぎに、この中では「投資の先細り」を懸念する声がありました。

たしかに、2020年度の設備投資は減少傾向でしたが、M&Aも投資と考えるとその間もかなり資金を投入しています。

合わせて、2021年度は以下グラフの通り、だいぶ設備投資額が増えていますので、以前のような心配はいらなそうです。

 

いずれにしても、個人的に従業員の声はレイヤー(役職)によって見える景色が全く異なるため、あくまでも数ある情報の一つとしてとらえるべきと考えます。

 

【まとめ(SWOT分析)】

  • 強み:自動車向けで世界シェアトップ3。過去の不振から脱却して、現在は好業績
  • 機会:5GやEVの発展により、既存の自動車向けからの脱却(依存度を減らしている)
  • 脅威:のれん代や減損、PMIなど多数のリスク要因が存在

 

【最後に】

今回のルネサスエレクトロニクス社の特集、いかがでしたでしょうか?

株式銘柄を分析/管理する上で、下記ブログで紹介している"無料"ツールがとても役立ちます。

是非合わせてご覧ください。

 

 

ちなみに、今なら下記のリンクから投資家登録すると、最大5,000相当の株が必ずもらえるキャンペーン実施中です。

日本株・米国株も「手数料無料」の証券サービスでコミュニティー機能もあります。

まだ口座開設していない方はこの機会に投資家登録して有名な企業の株を無料でゲットされてみてはいかがでしょうか。

■手数料無料で取引できるアプリ「STREAM 」

 

 

-企業分析/決算へ投資, 株式へ投資

Copyright© 【全方位投資ブログ】日本株×仮想通貨×NFT×ブログ , 2023 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.