【はじめに・こんな疑問/お悩みありませんか?】
- ルネサスエレクトロニクスってどんな会社?
- なぜこんなに業績が伸びているのか?
- 株価が上昇した時期と下落した時期の要因は何?
- 従業員の年収は高い?その理由は?
- 同社の今後の将来性は?
このブログでは、そんな疑問を一気に解決いたします。ぜひ最後までお読みください。
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【目次】
ルネサスエレクトロニクス株式会社の会社概要
ルネサスエレクトロニクス株式会社の企業情報
本社所在地 | 東京都江東区豊洲三丁目2番24号(豊洲フォレシア) |
業種分類 | 電気機器 |
設立年月日 | 2010年4月 |
決算 | 3月末日 |
従業員数(連結) | 20,962人 |
ルネサスエレクトロニクスの設立は、この2社の経営統合によって2010年4月にできた企業です。
・三菱電機および日立製作所から分社化していた「ルネサス テクノロジ」
・NECから分社化していた「NECエレクトロニクス」
実は、2010年代前半は業績不振による経営悪化のため、産業革新機構によって、実質国有化されました。
そこから様々なリストラを通じて、2014年に黒字化し、経営再建がなされました。
ルネサスエレクトロニクス株式会社の事業内容
国内では、東芝系のメーカーであるキオクシアと並ぶ、最大手の半導体メーカーです。
特に、自動車向けが強く、車載向け半導体シェアでは、世界3位に入る規模です。
現在のセグメントは、以下の2つとなっております。
- 自動車
- 産業・IoT・インフラ分野
2つのセグメント売上の四半期推移をみると、どちらも成長していますが、
足元では、産業インフラIOT向けが、ついに自動車向けをぬいて急成長しています。
ルネサスエレクトロニクス株式会社の市場規模
市場規模の動向について、こんなうたい文句のレポートがあります。
「人類の文明が進歩する限りは、成長が続く」
半導体は「経済の血液」とも言われており、あらゆる電子機器に導入されています。
加えて、近年は電子機器の高度化が進み、導入される半導体の数も質も高まっています。
そんな点から、半導体はこれからも伸び続けると言われる背景になります。
(出典:EETimes Japan)
ルネサスエレクトロニクス株式会社の株価関連情報/株価チャート(2022年6月3日時点)
時価総額 | 2,989,694百万円 |
発行済株式数 | 1,948,953,346株 |
配当利回り(会社予想) | ー |
1株配当(会社予想) | ー |
PER(会社予想) | ー |
PBR(実績) | (連)2.22倍 |
EPS(会社予想) | ー |
BPS(実績) | (連)691.64 |
最低購入代金 | 153,400 |
単元株数 | 100株 |
年初来高値 | 1,561 |
年初来安値 | 1,145 |
(出典:Yahooファイナンス)
次に株価です。
こちらは前身のルネサステクノロジからの株価推移となります。
2009年に2,000円を割り込んでからは、長期でみるとほぼ横ばいです。
ちなみに、2022年年初からの株価も見てみましょう。
2022年はハイテク株中心に世界的に大きく下落した年ですが、ルネサスの株価はあまり下がっていません。
直近はむしろ上昇基調です。
ルネサスエレクトロニクス株式会社の配当 ~配当がないのはなぜ?~
結論から言うと、配当は現状では0円です。
同社の配当政策の方針を見てみましょう。
この方針からいくと、現状は剰余金が研究開発、設備投資に費やされており、配当まで手が回らないということでしょうか。
ただ、まずは自社株買いを念頭に、2022年12月期からは株主還元も再開する意向を示してしました。
(出典:日本経済新聞)
そんな中、2022/4/27、発行済み株式の8.6%を上限に自社株TOB(株式公開買い付け)を実施すると発表しました。
買い付け総額は最大2000億円。 1株1190円と27日終値(1333円)を11%下回る水準で、筆頭株主のINCJ(旧産業革新機構)が応募契約を結んでいます。
こうしたことから、自社株買いの次は、配当に期待が持てる展開になってきていると考えます。
同社の将来が楽しみですね。
ルネサスエレクトロニクス株式会社の平均年収
同社の平均年収は、業界的には高い水準と言えます。
会社四季報によると、平均年収は882万円となっています。
また、従業員の口コミが閲覧できるサイト「openwork」というサイトがあります。
これによると、同サイトに投稿した従業員146人の平均年収は766万円です。
四季報とopenworkの年収差ですが、openworkに投稿している層が比較的若い社員が多いとみられるためです。
openwork上の職種ごとの内訳は写真のとおりです。
ルネサスエレクトロニクス株式会社の採用
同社は連結で、20,962名もの社員数がおります。
その中で、同社のエンジニア数は公表されておりません。
ですが、半導体というハイテク企業であり、かつメーカーであることから、全従業員の半分くらいはエンジニアが占めるのでは、と想定されます。
実際に、ルネサスエレクトロニクスの採用サイトを見ると、このように様々なエンジニア職種を募集しています。
https://jobs.renesas.com/?locale=ja_JP
このサイトから直接の応募もできますが、より合格確率をあげるには、以下のエージェントに相談した上で、応募することがオススメです。
無料なので、是非お気軽に利用してみてください。
・パーソルキャリア
ルネサスエレクトロニクス株式会社の競合
(出典:週刊エコノミスト)
競合企業は世界の名だたる企業です。
こちらのグラフをご覧ください。
これは、半導体メーカーの売上高の世界トップ10です。
このように、インテル、サムスンからはじまり、すべて「海外勢」で占められています。
また日本企業に限定したグラフがこちらです。
この中では、ルネサスエレクトロニクスは3位に入ります。
(出典:週刊エコノミスト)
ただ、規模的には先ほどの世界とは大きく劣ることがわかると思います。
このため、ルネサスエレクトロニクスとしては、色々な半導体の種類を作るというよりは、車載向け、IoT向けなど、ジャンルを絞ることが大事なことがよくわかります。
※ちなみに、とあるサイトに「ルネサスエレクトロニクスの競合には、東京エレクトロンが挙げられます」といった記載がありました。
こちらは大きな間違いです。
なぜなら、ルネサスエレクトロニクスは「半導体メーカー」ですが、東京エレクトロンは「半導体製造装置メーカー」だからです。
ゆえに、2社は競合ではなく、むしろ取引先です。
ルネサスエレクトロニクス株式会社のM&A
ルネサスエレクトロニクスは、特に2010年代後半から、M&Aを積極化させました。
- 2017年:米国 インターシル
- 2019年:米国 インテグレーテッド・デバイス・テクノロジー
- 2021年:英国 ダイアログ・セミコンダクター
(出典:週刊東洋経済)
これらのM&Aは業績やシェア獲得には貢献したものの、3社の買収金額は、計1兆7,000億円規模に膨らみました。
ゆえに、同社の財務負担は大きく増加しました。
ルネサスエレクトロニクス株式会社の決算
前期2021年12月期決算は、最終利益が6期ぶりの最高益となった同社ですが、
2022年4月27日に発表された、今期第1四半期の決算は、以下の通りです(カッコ内は対前年)
・売上高:3,467億円(+70.2%)
・営業利益:1,355億円(+829億円)
増収増益となったこの要因ですが、以下2点に集約されます。
・世界的な半導体需要の活発化
・利益率の高いIoT関連の売上構成比アップ
この流れは、同社にとって非常に良いものといえます。
その理由はこれまでの自動車業界との取引関係にあります。
自動車業界とルネサスエレクトロニクスの関係
従来より車載向けに力をいれていた同社ですが、力関係としては、どうしても下請けの立場にありました。
図にすると、このような形でした。
(出典:週刊東洋経済)
産業ピラミッドの頂点であるトヨタ自動車と、そのティア1(1次下請け)であるデンソーがルネサスの株主であり、
それらの要求に応えるために、利益率の低い車載向けに依存する状況となっていました。
ところが、最近は状況が大きく変化しつつあります。
- IoT関連での半導体需要が急増
- コロナ禍で、半導体を搭載する電子機器の需要が急増
(出典:週刊東洋経済)
半導体の限られたパイを、自動車やIT、電気機器メーカーが奪い合うようになってきています。
実際に、ルネサスの大株主であるトヨタ自動車ですら、「最近はルネサスが言う事を聞いてくれない」といったグチをこぼしているくらいです。
その結果、ルネサスエレクトロニクスの車載向けの販売割合は、はじめて5割をきりました。
ルネサスエレクトロニクスは「やばい会社」?
webでルネサスエレクトロニクスを検索しようとすると、「やばい」という付属ワードが、表示されることがあります。
この「ルネサスエレクトロニクス やばい」とはどういう意味でしょうか?
結論から言うと、現在のルネサスはやばいといった状況ではありませんが、調査してみたところ、大きく2つの要因があることがわかりました。
- 過去のリストラ
- 買収による巨額ののれん代
それぞれ見ていきましょう。
1. 過去のリストラ
ルネサスエレクトロニクスは2000年代から続いた経営不振の末、2013年に国策企業である産業革新機構の傘下に入り、実質国有化されました。
それから、リストラに次ぐリストラを行い、従業員数が半数にまで減るなどして、ようやく黒字化にこぎつけました。
このリストラで多くの技術者が流出し、ルネサスの技術力が落ちたともいわれております。
ですが、近年のルネサスは業績が非常に好調です。
昨年度の営業利益は、1,836億円もたたき出しており、増収増益です。
世の中的な半導体不足もしばらく続きそうで、当面の間リストラの心配はいらないと考えます。
2. M&Aによる巨額ののれん代
まず、のれん代とは何か?ですが、これは企業買収時における「買収金額ー買収先企業の純資産」の差額です。
純資産は会社が解散する際に残る、純粋な資産を表しているため、
それを上回る買収金額分を表すために、のれん代が会計上利用されています。
ルネサスは近年、買収に次ぐ買収をしており、直近の決算のバランスシートに載っている「のれん代」は、なんと1.17兆円にもなります。
通常はこののれん代を、減価償却費のように一定期間に分割して費用計上していきます。
しかし、ここからがのれん代が「やばい」と言われるゆえんで、
もし、買収先企業の業績が想定より悪化した場合、のれんを一括で費用計上しなければなりません(基本的に特別損失)。
そうすると、巨額の赤字を計上することとなり、業績悪化→リストラ、といった流れが懸念されることになります。
これは同社最大のリスクといえます。
ルネサスエレクトロニクス株式会社のアナリストカバレッジ
ルネサスのアナリストカバレッジ(同社を担当しているアナリスト)はこちらです。
やはり、半導体業界の中でも、最注目の1社であるため、同社のカバレッジ人数はとても多いです。
ルネサスエレクトロニクス株式会社の格付けレーティング
どの証券も「買い」です。
ここまで評価が統一されているのは、きわめて珍しいです。
ルネサスエレクトロニクスの投資リスク
筆頭株主である「株式会社INCJ」の存在
まず、筆頭株主である「株式会社INCJ(旧・産業革新機構)」の存在は要注意です。
2022年4月の自社株買いにより、INCJの持株比率は20→13%まで減少しました。
しかし、ファンドであるゆえに、持株の価値が高まれば利益を出す為に売却する可能性は、今後十分にあります。
大株主による売却は、大規模な売り圧力となり、株価の下落要因となります。
ゆえに、INCJの動向は慎重に観察すべきです。
たび重なるM&A
次に、先述の通り、ルネサスは最近M&Aを加速させています。
企業文化はそれぞれであるために、その後の統合作業が難航することが多々あります。
この統合作業をPMI(ポストマージャーインテグレーション)と言います。
私も本業で経験ありますが、異なる文化の企業が一緒になろうとすると、特に初期は非常にあつれきを生むことがあります。
それにより、従業員退職が相次いだり、派閥が生まれたりすることがあります。
買収するだけでなく、その後のPMIが、企業運営では非常に大事となります。
PMIが上手くできないと、見込んでいたシナジー効果が出せず、買収そのものが失敗に終わる可能性があります。
固定費率が高い
ルネサスのように大規模な製造の固定資産を持つ企業は「減損リスク」が高いです。
減損の会計処理は、先ほどふれた「のれん代」とほぼ等しいです。
「減損」とは、その固定資産において一定期間で見込んでいたキャッシュフローが、見込めなくなる(見込みを下回る)場合に、差額を特別損失として計上することを言います。
直近では、工場火災により減損損失を出すなど、製造業では割と頻繁に発生する事象です。
この減損損失額が大きいと、一気に赤字転落することもあり得るため、注意が必要です。
ルネサスエレクトロニクス株式会社の将来性・まとめ
先程見たopenworkにて、従業員の声を聞いてみましょう。
【ポジティブ】
まず、「市場規模の拡大」を好機に捉える声もありました。
やはり、この点は市場規模のところで述べたとおりであり、自動車だけでなく、5G、IOTなど様々な分野で半導体が欠かせないです。
【ネガティブ】
つぎに、この中では「投資の先細り」を懸念する声がありました。
たしかに、2020年度の設備投資は減少傾向でしたが、M&Aも投資と考えるとその間もかなり資金を投入しています。
合わせて、2021年度は以下グラフの通り、だいぶ設備投資額が増えていますので、以前のような心配はいらなそうです。
いずれにしても、個人的に従業員の声はレイヤー(役職)によって見える景色が全く異なるため、あくまでも数ある情報の一つとしてとらえるべきと考えます。
【まとめ(SWOT分析)】
- 強み:自動車向けで世界シェアトップ3。過去の不振から脱却して、現在は好業績
- 機会:5GやEVの発展により、既存の自動車向けからの脱却(依存度を減らしている)
- 脅威:のれん代や減損、PMIなど多数のリスク要因が存在
【最後に】
今回のルネサスエレクトロニクス社の特集、いかがでしたでしょうか?
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