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個別銘柄の株式投資時の「課題・リスク」を把握する方法(実例解説付き)

皆さんは、こんなお悩みはありませんか?

  • 株式投資のリスクをできるだけ事前に把握しておきたいが、良い方法はないだろうか…。
  • 有価証券報告書を読もうと思っても、ページ数が多くて読む気が起きない。
    重要な部分だけを把握する方法はないだろうか。

 ⇒そのお悩み、このページで解決できます!

 

はじめに

ということで、今回のテーマは、有望株の「課題・リスク」を上手に把握する方法をお伝えします。
失敗を100%防ぐことができる株式投資は無いですが、
課題やリスクを把握しておくことで、先読みすることができ、結果的に失敗確率を減らすことができます。

その方法ですが、

・企業側から積極的には公表しづらい課題やリスクについて、
投資家側が把握する方法は、ズバリ「有価証券報告書(以下、有報)」を見ることです。

有報は、決算時の主な開示書類の一つです。

年度末の本決算で発表する有報は、100ページほどの分量で、しかも白黒で文字だらけなので、正直読みづらいです。

しかし、開示書類としてのフォーマットが決まっているため、企業に恣意性が入りづらく、参考になる情報が多いです。

それでは、具体的に紹介していきましょう!

 

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目次

 

 

決算時の主な開示書類

企業が決算時に開示する資料は、大きく4つあります。

決算説明書類 決算短信 四半期報告書 有価証券報告書
開示タイミング 任意 四半期決算後
45日以内
四半期決算後
45日以内
決算日後
90日以内
情報量 少ない〜多い 少ない 少ない 多い
記載ルール 任意 決まりあり 決まりあり 決まりあり

 

有価証券報告書の主な目次

  1. 企業の概況
  2. 事業の状況   ⇦見るべきポイントここだけ(しかも1部)
  3. 設備の状況
  4. 提出会社の状況
  5. 経理の状況
  6. 提出会社の株式事務の概要2
  7. 提出会社の参考情報

 

有価証券報告書での実例確認① ニューラルポケット

まずは、ニューラルポケットの有価証券報告書になります。

〔中略〕


2【事業等のリスク】

〔中略〕

・特定の取引先への依存について
当社の主要取引先は、大手通信キャリアであるソフトバンク株式会社であり、当該特定取引先への依存度は高い状況にあります。

〔中略〕

・特定の人物への依存について
重松路威氏は、創業以来、当社の代表取締役社長であり、
…67.55%を保有する大株主でもあり…

〔中略〕

 

【考慮できるリスク】

  • ソフトバンクに対しての売上が半分を占めている。
    (本来、何かあったときに影響が少ないので、売り上げは顧客が分散するべきで、
    最悪のリスクとして契約期間が切れて、打ち切られた場合も感げられます。)
  • 社長を中心とした特定の人物への依存

 

ニューラルポケットについては、こちらの記事でビジネスモデルや決算内容など、たっぷり特集していますので、是非合わせてご覧ください。

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有価証券報告書での実例確認② ウェルスナビ

続いては、ウェルスナビの有価証券報告書です。

〔中略〕

⑴事業に関するリスク
①ロボアドバイザー市場に関するリスク
…ロボアドバイザー事業の単一セグメントです。…

〔中略〕

⑤特定の取引先への依存に関するリスクについて
…これら特定の取引先への依存度は、ダイレクト事業の伸長と提携パートナー事業の拡大によって減少傾向にあります。…

〔中略〕

  • 金融系は法規制が非常にネックになります。
    例えばロボアドバイザーに関する法律が厳しくなって市場の状況が悪くなったりします。
  • 提携パートナー先の分散ができており、さらに大株主として入っているので、売り上げに貢献できるようなインセンティブが働きます。

 

 

有価証券報告書での実例確認③ ホープ

最後に、ホープの有価証券報告書です。

〔中略〕

⑩経続企業の前提に関する事象等

…営業キャッシュ・フローのマイナスは生じており、依然として継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせる事象等が存在しているものと認識しておりますが、当事業年度においては、当期純利益665,005千円を計上し、また金融機関の支援も得られており、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。

〔中略〕

 

【営業活動によるキャッシュ・フロー】

:
・税引前当期純利益              93,127(前年度) 963,924(当年度)
・売上再建の増減額   △686,512      △2,552,025
:

有報上は利益は出ているから、大丈夫ですという内容ですが、
税引前当期純利益も営業活動によるキャッシュ・フローの1項目に過ぎません。

営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスであることには変わりはないです。
利益が出ているから、キャッシュ・フローのマイナスをカバーできるわけではありません。

 

このように、キャッシュ・フロー表の理解は、株式投資をする上で重要です。
また、継続企業の重要な疑義の記載がある企業は、投資先としては要注意となります。

 

まとめ

有価証券報告書の「第2【事業の状況】」をしっかりおさえることが重要です。

 

(おまけ)有価証券報告書を読みやすくする方法

・プリントアウトする
・縦長モニターを使う(1ページまるまる閲覧できる点と、スクロールするの回数が減る点が便利です)

 

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