目次
はじめに
今回は日経ヴェリタス要約版として「誰でもできる上方修正のクセをつかむ方法」をご紹介していきます。
決算発表シーズンについて
10月25日から3週間、約3000社の決算発表があります。 上場企業のおよそ8割は決算期が3月と言われてるので、年間の半年分が終わった実績を発表することになります。 【ポイント】 第2四半期をしめた時点で翌年の方向性というのが結構との会社も見えてくるということがあります。
半年やっていると、よほどの季節変動がない限りは今季の方向性がだいぶ見えてくると思います。 なので第2四半期のタイミングで上方修正、下方修正を出す会社も多いです。 証券アナリストも翌期のところに目が向いてくるというのが第2四半期は一つのポイントになってきます。
上方修正のクセを掴むとどんなメリットがあるか
保有株の値上がりが期待できます
例)コア<2359>(ITシステム開発関係の企業) 上期の経常利益を40%上方修正し、1500円の株価が一気に翌日最高値2,500円で上り詰めました。 上方修正の発表内容にもよりますが翌日ストップ高になる銘柄も少なくはないです。
業績予想の上方修正とは
①当初の会社予想に対して、 売上高10%、各利益30%以上の乖離しそうな場合、修正の開示が必要
②業績予想修正の発表のタイミングは以下の2パターン
a.決算発表日の「数日前」 b.決算発表日と同時
a 決算発表日の数日前にされるということは第2四半期までの決算段階で、これはだいぶ上振れすることが予想できて決算発表よりも前に早めに公表しようという動きです。
b 決算発表日と同時は通期の見通しに対する上方修正をする場合が多いです。
どんな業種/銘柄で上方修正が起きやすいか
①業績予想が保守的な傾向の業種
【自動車業界】
自動車業界は販売チャネル、部材、為替など変動要素が無数にあります、したがって下方修正を避けるためにはそもそもの計画を保守的に出さざるを得ない状況です。 特に最近は半導体の供給が読みにくいところもあります。
例えばトヨタ自動車は過去5年間、直近5年間のうち4期で、ホンダも5期中4期でスズキは5期中2期上方修正をしています。
例えばアナリストの中でもトヨタの今期の営業利益の予想は最も高い見立ての人は3兆3,000億円、最も低い人は2兆6,700億円で6,000億円も開きがあります。そういった意味で自動車業界はアナリスト泣かせの業種と言えます。
【半導体】
半導体は価格がかなり上下すること、生産できる数が限られる点(特にコロナの時は需要が急拡大し、供給が間に合わないということがあったりしました)、為替変動要因を受けやすいので業績予想が保守的な傾向があります。
【ゲームソフト】
どのくらいヒットするかという販売予測が立てづらく、また発売後にソフト、ゲーム機のバグが起こり、売れ行きが鈍化してしまうことがあり得るため保守的になる傾向にあります。
任天堂は5期中3期で上方修正しました、コーエーテクモは4〜9月の半年間の業績予想を引き上げています。
【総合商社】
資源価格のブレ幅が非常に大きいです、また投資先企業の減損可能性があるため、業績予想は保守的です。
商社はもともとの予想の中に数百億円の損失をバッファーとして業績予想に織り込んでいるケースがあります、なので損失が実際出なければ結果的に上方修正を出す可能性があります。
【不動産】
売却益による一時的な特別利益が発生するケースがあります。ただ予測には使いづらいです。
②上方修正の常連個別銘柄
5期連続で期初予測より実績が上回った企業一覧
- ファナック
- アドバンテスト
- 日産科学
- TBS HD
- テレビ朝日 HD
- 日本化薬セーレン
- フジミインコ
- 平和不動産
機械系、化学系、テレビ系、不動産となっています。
株探のニュースで把握できます。
株探で上方修正期待銘柄を定期的に投稿しています。
トップページの下の方にいくと人気ニュースという見出しがあります。
具体的に見てみると、「発表迫る、低PERの22年3月期【上方修正】期待リスト第2弾」というタイトルで、 今月下旬から本格化する決算発表を前に上方修正を期待される企業の中からPER面で割安感の強い銘柄にスポットライトを当てたニュースとなってます。 ということでいろんな角度企業をスクリーニングしています、さらに過去の上方修正の実績も紹介します。
私もこちらを活用し、いろいろ見て上方修正が固そうな数銘柄に対して現時点で株を持ってしまって上方修正が出た段階で翌日株価があがったら売るということをやっています。
ぜひご活用いただければと思います。
ここまでが前半の内容になります。
後半は上方修正と株価の関係、上方修正を活用した株式投資時に抑えておくべき点(デメリット含む)に関してご説明していきます。
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